Berlin Naked Street vol,3 2018

sea side in Athens. so much plastics!! long bean trash amazing food new recipe in Athens

 



ベルリン赤裸々街道 vol.3 Sep, 2018 I wrote this article for some mag, but not published.

先日アテネにホリディに行ってきた。最高だった。
魚介はもちろんだが、野菜が本当に美味しくて驚いた。太陽の力はすごい。完熟トマトの圧倒される濃厚さに、ズッキーニやナスのジューシーさに、見たことのない野菜に、いちいち感動した。素朴で簡素なペストリーや焼き菓子も意外にあっさりとして伝統的で完成された味だった。海もなく、日照時間の乏しいベルリンの食文化との違いをまざまざと感じ、そのビビットな味に恋に落ちた。

ギリシャは経済が破綻している。5年ほど前がピークだったようだが、今も物価は非常に安い。私の泊まったところはbooking.comで予約したアパートメントだったのだが、誰かの家のような気さくで清潔な2部屋にダブルベットとシングルベット、ダブルのソファーベットがあり、4人は泊まれる。それにキッチン一式と植物がいっぱいの広いバルコニーには朝から太陽がさんさんと差し込む、という最高の環境!広さも合計したら60㎡以上ありそうだった。それが5泊で200ユーロ(26000円)。や、安い。。。この辺りはパキスタン移民しか住んでいないゲットーだと言われたが、全く怖いところもなく、逆に異国情緒と70年代のような可愛らしさとローカルな雰囲気でめちゃくちゃ気に入った。

オーナーのおばさんに状況を聞いてみると、彼女はこのアパートを買っているが、もしもこれが賃貸だったとしたら月200ユーロで借りれるというのだ。さ、最高か。

今のベルリンの状況は私にとって最悪だ。多分全ての大都市が通ってきた通過儀礼なのだと予想するが、ベルリン安くてゆるくて最高説がいろいろな国でささやかれ、海外の金持ちが土地やマンションを買い占め、ジェントリフィケーションは右肩上がり。洗練されるプロセスも追いつかないうちにここ10年であっという間にヒップスターになってしまった田舎の都市というのが私の印象だ。
観光客が道に溢れ、旅の恥はかき捨てとばかりにそこら中にゴミを捨て、立ちション、泥酔、オーバードーズ。中身が伴っていないのに、どのお店も私たちイケてるからと気どり始め、まずいままレストランやカフェは値段が高騰していく。私はヒップスターカフェのカフェラテに4ユーロ請求されるたびに悪態をついている。私が引っ越した2012年には90セントだったアイスクリームは今年1.5ユーロ、6割も値上がりした。

時々私がイベントをやらせてもらっている、安心できるDJバー、O tannenbaumのオーナー、ピーターとハーミーは今アテネにもう1店舗オープンしようと計画しているという。話を聞くと、アテネは今、12年前のベルリンくらいの物価なのだそうだ。

今となってはベルリンで一人暮らしをしようと思ったら、40㎡のワンルーム、キッチン、バス付きで最低でも600ユーロといったところ、ここは東京か。もうアテネに引越したいところだ。

しかし私をまだベルリンにとどまらせるものが2つある。

1つ目はオーガニックフードだ。
私は料理を主な仕事にしている。
アテネの野菜はオーガニックじゃなくても本当に感動的に美味しかったが、私はエシカルな面からオーガニックをサポートしたい。だけど全然オーガニックショップが見つからなかった。EXARHEIA(エクサルシア)という70年代から学生運動やアナキズムの活動の拠点だったという面白いエリアでようやく1店舗見つけた。アテネでは4日間ずっと街をうろついていたがその1店舗だけだった。ベルリンでは1キロに1店舗くらい見つかるし、今もまだまだ乱立中だ。

もう1つはプラスチックの問題だ。
ベルリンではプラスチックを使わないようにしているお店がたくさんある。持ち帰りのカップやスプーンが紙や木やコンポスタブルな素材でできているものを使っている店。ケータリングをするにも、普通のお皿とフォークを持ってきてゴミを出さないようにするオフィス。パーティやイベントでもエコロジーを謳っているものも沢山ある。
しかしアテネではほとんど見かけなかった。飲み物はプラスチックカップ、ペットボトルが当たり前。紙コップに入れてくれというと不思議な顔をされ、スーパーでビニール袋に入れずに野菜をレジに持っていくと後ろのおばさんにビニール袋に入れろとどやされ、私と友達は声を揃えて「ノープラスチック!」と何度も叫んだ。
あるカフェでは、紙コップに入れてくれと頼んだのにプラカップで持ってこられたので、「えーでもこれ紙に変えてもらったとしてもこのプラコップは捨てるんだよね?洗って使って欲しい。」と言ったら、「安いから気にしないで」と言われ2人揃って「金の問題じゃねーんだ!」と憤慨した。この温度差。

海も透明度は高かったがプラスチックゴミだらけで、私たちだけでは拾いきれず15分で拾うのをやめた。本当にプラスチックに汚染されていた。

そんなわけでまだベルリンにいます。